小学校の教室が勉強嫌いを生む?~環境が姿勢に及ぼす悪影響~

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小学校の教室。黒板があって、教壇があり、机が一列に並ぶ、そんな光景を思い浮かべる人が多いと思います。小学校に限らず、中学校、高校、大学でも同じような環境が提供されています。そのような環境での学びが姿勢に悪影響を与え、長期的には勉強嫌いにも繋がっているのではないかと最近考えています。

 黒板をみようとすることで生まれるひねり

ヒトは注意を向けた方向に目だけでなく顔も向けようとします。これは顔を向けた方が視覚情報の情報処理をしやすいためと考えられています(東北大学電気通信研究所の研究:人が横目でものを見ようとしない理由を発見)。

例えば、教室の一番左側で一番前に座っている学生は黒板をみるために右を見る必要があります。しかしイス机は前を向いているため、顔を黒板に向けるためには体幹か首をひねることになります。これでは授業中に黒板を見ようとすると常に体の緊張を強いられてしまいます。

 不快感から勉強嫌いに

ヒトは不快なことから意識的にか無意識的にか避けようとします。このような環境では勉強をすることから逃れようとしてしまうと考えられます。報酬があれば(成績が良ければ友達に自慢出来たり親に喜ばれる、勉強が楽しいなど)、不快感に報酬が打ち勝ち勉強は続きますが、不快感はなくなるわけでないので不快感が報酬を上回った時に勉強をやめてしまうのではないかと思います。

(図 座席の配置)

様々な理由があり今の形に落ち着いているのかもしれませんが、上の絵のようにするだけでも姿勢への悪影響を少なくし不快感を軽減できるのでないでしょうか。大人や小学生の姿勢の矯正を促すクッションを販売している会社と帝京大学との研究では姿勢の矯正が作業効率の向上、緊張の緩和に繋がるとのデータも出ています。現状では勉強するための場が身体の不快感とセットで提供されてしまっていると考えています。そういった不快感をなんらかの形で取り除くことが大事になると思います。

最近は座っていられない子供も増えているそうです。カリキュラムや教員の質などの改善以外にもこのような身体的なアプローチも学力向上や勉強嫌いへの方策としてあり得るのでは、という話でした。

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