馬の動きの着眼点:尾とサプルネス

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リズムとともに調教の初期から必須とされる、サプルネス。綴りはsuppleness。柔軟性を意味します。

サプルネス(=馬の諸関節の柔軟性)がある動きは馬が心身ともに緊張感・束縛から解放されて初めて現れる、FEIが発行している馬場馬術ハンドブックにはそう書かれています。

そのサプルネスを評価するいくつかの観点のうち、今回は尾の動きに関して少し書きたいと思います。

 理想の尾の動き

非常にシンプルですが、尾がリラックスして適度に持ち上げられ、それが保たれている状態、が理想と言えます。つまり理想の動きは、安定して”動かない”ということです。これが運動を通して維持されるとgoodです。

 悪い尾の動き

〇尾を振る動き

尾を振る仕草で、不快感、痛み、抵抗を馬は表現します(虫をはらう動きはまた別です)。扶助のマズさ、筋肉の未発達など様々なことが原因となり得ます。

例えば、鞍にお尻を押し付けて馬の背の動きを妨げるような乗り方をしていると、この仕草がよく出ます。運動内容としては、手綱を取った常歩・後退・踏歩変換でよく見られます。

ただ尾を振る癖がある場合は少し話が違います。普段から何もしていないのに尾を振る馬に関しては、必要以上に気にする必要はないようです。競技でも審判の判断次第ですが、減点の対象からは外れます。

〇尾を下方に押し付ける動き

あまり見られないですが、尾を下方に押し付ける仕草は後躯の筋肉の緊張を示していると言われています。

サプルネスを評価する観点の一つ、尾の動きに関する話でした。どんな時に尾を動かすか、なぜ動かすのかを考えると運動の改善につながると思います。

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