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首のストレッチというと、手の平を使って頭を押すイメージが強いと思います(イメージ図1)。今回はより効果的なく首のストレッチ方法を紹介します。
押すストレッチ方法の問題点
首を左右どちらかに押すことで、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋等が伸ばされます。これがストレッチの目的ですが、問題点があります。
通常筋肉は伸ばされるとそれに対して抵抗する力を使います。これは筋肉の断裂等を防ぐために必要ですが、頭を押すことによるストレッチでは、別の力も同時に引き出してしまうので筋肉を伸ばし切ることができません。
その力とは、体のバランス維持に使う力です。首の筋肉は抗重力筋として体のバランス維持のために常日頃から活動しています。頭を横に曲げた状態での体のバランス、それを維持するため力を使ってしまうのです。
頭を置くことの利点
バランス維持に他の部分も参加させてしまえば、それに使う出力を少なくし、伸ばしたい筋肉をもっと伸ばすことができるのでは、という発想から生まれたのが、手に頭をおくストレッチ方法です(イメージ図2)。
これにより、手も体のバランス維持に参加させることができます。手で頭を支えながらゆっくりと傾きを大きくしていってください。両方のストレッチをやってみると違いが感じられると思います。
首を前に伸ばすストレッチでも同様のことができます。また首を後ろに伸ばすストレッチでもこれを応用したやり方があります。壁の前に立ち、首を後ろに伸ばし、ゆっくりと壁に首をあずけるようにします。こうすると壁が体のバランス維持を助けてくれるため伸ばされる筋肉の緊張が減ります。
置くストレッチの注意点
伸ばすときも元に戻すときも、ゆっくり、がとても大事です。手または壁に首を預けるときに可動域いっぱいまで一気に伸ばしてはいけません。また、元に戻すときも首に力を入れて戻すのでなく、手でゆっくりと支えながら戻しましょう。これは首を後ろに伸ばすときも同様です。壁と首の間に手をはさんでからゆっくりともとに戻していくのが非常に大事です。
筋肉を伸ばすときは手を使ったり、外部の力に頼ることで、バランス維持のための力を使わずにすみ効果が上がるという話でした。首は特に繊細な筋肉なので注意しながら伸ばしてください。
※teamLabBodyという人体解剖アプリケーションや、筋肉データ一覧(205個)というサイトが非常に役立っています。ぜひ参考にしてください
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